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2011.11.09 鎌倉
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→続きです。

山口蓬春記念館の素晴らしさに続き、
カニづくしランチとビールを堪能した僕たち一行は、心もお腹も幸せいっぱいで
もう帰ってもいいかなモードになりかけておりましたが(笑)

まだまだいきますよ~


いざ!鎌倉へ。

鎌倉での2時間半は自由行動というプログラムでしたので、
ここぞとばかりに単独行動に出たアール・イーでございましたヨ(笑)

旅ってそもそも目的があってないようなもの。
予想外の何かに出会う愉しみを求めてひとりふらふらと気の向くまま、
そして、できるだけ気持ちをニュートラルにして歩きはじめてみました。

小町通りを北へ、そして鶴岡八幡宮の正面にまわり、境内のほうへ向かっていきますと・・・
・・・いきなりきました、ビビビっと(笑)左側側頭部の髪の毛を引っ張られるように。
僕の気持ちが向かった先は神奈川県立近代美術館です。

この県立近代美術館は鶴岡八幡宮の側からですとちょうど裏口にあたり、
企画展の告知もあまり目立たない感じでなされていたのですが、
ご神前であるにもかかわらず、どうにもこうにも僕の足はそちらに向かってしまいました。

近づきながらちらっと裏側が見えるその建物は白い箱を空中に浮かせたようなフォルムで
ル・コルビュジェを思わせる雰囲気です。それもそのはず、この建物はコルビュジェの
もとで修業を積まれていた坂倉準三さんの設計なのですから。
そしてその企画展の内容を見ましたら、何と!シャルロット・ペリアンの企画展だったのです。


http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2011/perriand/index.html

ペリアン女史と坂倉さんは前川國男氏とともにコルビュジェのもとでの同僚
だったはずです。
何か尋常でない気分にかられた僕は吸い込まれるようにその企画展の世界に呑み込まれて
いってしまい。2時間半の自由時間をこの場所で使いきってしまいました。

いままで、ル・コルビュジェの輝かしい仕事の陰であまり知ることのできなかった
シャルロット・ペリアンの仕事。
また、日本あるいは坂倉さんをはじめとする日本人同僚との関係。
そして、ペリアンさんの人間味あふれる魅力がプレゼンされていたその企画展は
本当に秀逸でした。
ましてや、当時のデザインスピリットがふんだんに盛り込まれた坂倉さん設計の建築空間
の中で体験できるなんて、、、

僕にとっては、予想外をさらに遙かに超えた幸せな出会いでした。
大仏様に会いに行かれた他の先生方を尻目にひとり抜け駆け気分(笑)
バチがあたらないといいけれど・・・

そして、シャルロット・ペリアンという女性に一気に恋におちてしまった
アール・イーなのでございます。


(写真左)
(左上に見えている)コルビュジェ大先生の手。そして愛すべきシャルロット・ペリアン女史。

(写真中央)
この建築空間を設計したのが坂倉準三さん。

(写真右)
名作シェーズロングに寝そべってすっかりいい気分のアール・イー^^

これで、オールスター勢ぞろいでございます(笑・失礼しました)



この日はこれで終わりではありません。
葉山、鎌倉を後にした僕たち一行は一路新宿へ。

そして、男女入り乱れての(冗談です^^)打上げ親睦会を行いましたヨ。

と、いうことで、男女35人秋物語でございました~(笑)
            ↑だいぶ古いか
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2011.11.09 葉山
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昨日は、葉山そして鎌倉へ行って参りました。

僕にとっては、おつきあい、という意識レベルの研修ミニツアー、、、
、、、だったはずなのですが、、、

そんな意識を見事にひっくりかえされるほど濃厚で収穫の多いツアーとなりました。


葉山での目的は、山口蓬春(ほうしゅん)記念館の見学でした。
http://www.jrtf.com/hoshun/
(写真は携帯のためピンボケお許し下さい)

ほとんど知識を持たず見学をさせていただきましたが、
山口蓬春氏の友人でもある建築家、吉田五十八氏設計のこの建物の
素晴らしさに終始絶句していたアール・イーでございました。

特にこのアトリエ空間の素晴らしさといったら、、、すみません、
まる一日たった今でも上手く言葉にできず、絶句状態です。

でも語りはじめてしまったら500時間くらい必要でしょうから
そのほうが良いでしょう(笑)

とにかく時間が足りませんでした。
本当に気持ち良く居心地の良い場所、一日中でも居られそうです。
それに、吉田五十八氏が何とはなしにデザインするはずもなく、
そのディテールの謎解きをしているだけでも楽しくて、、、

20センチほど段落ちしている縁側のその訳・・・・・!
木製サッシ横桟の面取りになるほど~~~~~
はたして吉田五十八氏はルイス・バラガンとの接点はあったのだろうか???
などなど、誠に勝手に思いをめぐらしていたアール・イーでございましたヨ^^

微熱状態の僕は、後ろ髪を引かれる思いでその場を後にしたのでした。


そして、いざ!鎌倉へ。

いやいや、その前にごはんごはん(笑)

→続きます。
2011.11.02 出城まつり
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先週の土曜日は、娘の小学校の出城まつり(=文化祭のようなものです)でした。

久しぶりに休みをとった僕は朝からいそいそと出かけて行ったのですが、
まだあまり人が集まっていなくて、、、9:00はちょっと早すぎでした。

しかたがありませんので、小学校周辺をお散歩しました。
何度も来ている場所ですけれど、いつ来ても気持ちのいい場所、
そして、いつ来ても新鮮な驚きが得られる場所です。

こんなに気持ちのいい場所と時間をほぼ一人占め。
なんて贅沢なのでしょう!
携帯でカシャカシャやりながらゆっくりゆっくりお散歩しましたヨ^^

木漏れ日と緑陰、軒下空間、・・・
日本文化の繊細さがここの周辺環境には満載です。
そして、西洋文化をも(うのみにするのではなく)見事に融合させた
和の精神がここにはあります。
四季をもつ日本という場所で、そして、世界の中では極東といわれる
この日本という場所で建築をやれることの幸せを感じます。

娘の通う小学校はこんなに素晴らしい環境の一角にあります。
そのことを娘はまだよく解っていないでしょう。
でもいつか世の中のことをもっと広く知ったときに娘にも解るときがくるはず。
そのときに、
こんなに素晴らしい環境の一角の中で、♪昭和時代♪(←文化祭のだしものでした・笑)を
無邪気に踊っていた自分を思い出し、微笑んでいる・・・。
そんな将来の娘を想像しているアール・イーなのでございます^^。

こどもたちのためにも美しい日本の文化と精神を守りたい。
改めて強くそう思います。
吉田桂二先生にさらなるリスペクトを感じながら・・・
2011.06.09 終の栖(ついのすみか)
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写真は震災の少し前に竣工したリフォームです。

十数年前に大変立派な母屋を建てられたお施主さんですがそれをご子息に譲り、
広い敷地の中に残存していた古い家屋のリフォームを行って
夫婦二人の終の栖(ついのすみか)にするというものです。

お施主さんは、ご夫婦とも学校の先生をされていましたが既にリタイヤされている
そんな世代のとてもあたたかい雰囲気をもつ素敵なご夫婦です。

母屋はそれはそれは立派な造りで、花梨や檜、そして京壁という
かなりびしっとした感じに仕上げられていましたので、
今回のリフォームにおいては、
唐松の床、杉板の仕上げ材、漆喰の壁というように、
ぬくぬくとあったかい雰囲気にしたいなあと考えました。

写真を見ていただくとわかるようにここはもともと和室の続き間でした。
1本だけ見えている柱の右側部分が縁側だったところです。
このどうしても残ってしまう柱には麻縄を巻いています。
(ここだけ僕が巻きました。抱きつきたくなるような柱でしょ・笑)

そして、いつまでも元気でいて下さるようにちょっと粋な要素を取り入れる
ということも同時に考えましたヨ(お施主さんには内緒で、、、^^)

写真にあります5枚の板戸は、四方框杉羽目板の建具を吊レールで吊っています。
杉の赤白を意図的に出して(源平杉と言います)ゆらぎのある優しいデザインにしました。
ランマ部分は解放して間接照明を仕込み、やわらかく優しく照明できるお部屋にしています。
(建具職人さんには大変な苦労を掛けてしまいました。)

実はこの板戸、5枚のうち4枚分が収納になっており、
残り1枚は隣のお部屋(寝室+水回り)に行けるようになっています。

さあ、ど~れだ?

そうです!隠し部屋^^

だいぶ前になりますが、“隠し部屋”という日記を書かせていただいたのを
覚えていらっしゃいますでしょうか?
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=410552982&owner_id=9289619
大人な方だけ読んで下さい(笑)





(追記)
築30年以上のとても古い家屋でした。
栃木県では鬼怒川以東において、古い家屋の被害が目立ちます。
この建物もそんな地域の中にありましたが、震災前に耐震補強を含めた工事
を行えたことが幸いし、軽微な損傷もまったくなく難を逃れることができました。
2011.05.29 「ある、いい、いえ」
やっと、できました。

ホームページのリニューアル。

ドメイン名は、「ある、いい、いえ」でございます。(笑)

よろしかったら覗いて下さい。

http://re-ie.co.jp


まだ、手直ししなければならないところがありますけれど、
さきがけて公開とあいなりました。
低予算にもかかわらずご協力下さったデザイナーのエリさん、
そして、いろいろなご意見を下さったNさん、Sさん、
本当にありがとうございました。
2011.05.22 懐かしさの中にあるもうひとつの懐かしさ
懐かしさ、、、

アメリカが繁栄を極め、日本全体が右肩上がりをまだ信じていた80年代。
その頃の音楽を聴くとキラキラした気分がよみがえってきて懐かしさを覚えます。
僕にとってはそういう気分のピークが80年代でした。僕はそんな世代です。

でも、村上 龍さんがメルマガで書いていましたが、
懐かしのメロディを繰り返し聞くと最初は当然懐かしく微笑ましいのですが、
やがて気分が沈むのは、その後の閉塞が織り込まれていない音楽に対して
苛立つからだろうと・・・

僕はそれを読んだとき、ハッとしました。

最近僕は、当時のイギリスの音楽をよく聞いているからです。
ちょっとシュールな感じだったり、カウンターカルチャー的なもののほうが
当時よく聴いていたアメリカンポップのような音楽よりも
今の気分に馴染みやすいような感覚を覚えます。
イギリスの80年代といえば資本主義のなれの果てのような状態が
既に始まっていて閉塞感が漂っていたように記憶しています。
90年代以降の日本を覆っているような気分に近いものが
あったのではないかな・・・などと考えています。

あの頃、印象は強かったけれど、なんだかよく解らなかった音楽。
そういうものが、今はすごく気持ちの中に入ってきてしまいます。
そんなふうにして行き着いたのが、例えばデビッド・ボウイや
アニー・レノックスなど・・・という訳なのです。

http://www.youtube.com/watch?v=PqWI6fnyWlI&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=pmo7I3N63nY&feature=related

(↑本当はSweet DreamsとLet's Danseを貼りつけるつもりだったのですけれど、
なぜか、思い直してこれらにしました。)


これは懐かしさとは裏腹に・・・ということではなく、
懐かしさの中の強い記憶に隠れていたもうひとつの記憶という感じでしょうか。


そんな話しを僕の会社のホームページをお願いしているデザイナーのエリさん
(僕とまったく同年代の方)とそれはそれは長々としてしまった先日でした。
エリさんとはいつも本題をはずれてこういうことになってしまうんですよね~(笑)

ホームページのリニューアル、、、
ずいぶんひっぱってしまいましたが、あともう一息です。


“懐かしさ”
↑僕らがものつくりをしていくときに大切にしているキーワードのひとつでもあります。






2011.05.18 オールドファッションな言葉
長らくご無沙汰してしまいました。

更新し続けていらっしゃる皆様の日記を拝見させていただき
リスペクトせずにはいられないアール・イーです。

僕は、懲りることなく相変わらず忙しい日々を過ごしております。
3.11の前後もずっと仕事を続けておりました。
以前の僕ならここで、“・・・やれやれ、、、”という感じでしたが、
「忙しさのあまり気持ちに余裕が持てず更新できずにおりました・・・」
などどいつもの調子で甘えた言い訳を言っている場合ではありませんね。
直接被災された方に比べたらとても幸運なことだと思わざるを得ません。

僕の住む地域ではそれほど尋大な被害はなく、僕の事務所でも
内装のボードがゆがんで一部に亀裂が入ったり、落下したものが壊れたり
程度で済みましたが、やはり3.11をさかいに気分は大きく変わってしまいました。
途方もなく多くの命が失われてしまったことを思い出し、今でもふとした時に、
例えば車を運転しているときなど急に涙が出てきてしまうことがあります。


震災以降からいままでの報道をみていると本当に悲しくなります。
でたらめなことばかりだとうすうす気づいていましたけれど、まさかここまでとは、、、

そんな中にありながらも、本物と思える骨のあるジャーナリスト、学者、
アーティスト、などの人たちがいるということを知ることができました。
(いままで目が曇っていて気付けませんでした。)
そんな人たちがちゃんといてくれることはひとつの救いだと思います。
今回のクライシスにおいて唯一のメリットとも言えるのは
本物と偽物が少しはわかりやすくなったことではないでしょうか。

ただ、それは“♪この世界が本当はどんなふうなのかを知る♪”ことですし、
それはアニーとボウイが歌うように“♪恐怖♪”です。

本当の救いは“♪オールドファッションな言葉♪”しかないのかもしれません。

http://www.youtube.com/watch?v=uMSGKMdusCM&feature=related

本物であり続けることはとても覚悟がいることですね。
三たびロックな気分のアール・イーなのでございました。