2010.08.08
“考える”ということ

“考える”ということはとても楽しいことです。
時に苦痛もともないますけれど、やっぱり楽しい!
というより他はありません。
日々の仕事のなかでいつも実感していることです。
ところが、
“考えてもらう”ということがこんなにも嬉しいこととは
思いもよりませんでした。
実は、HPをリニューアルするためにあるデザイナーさんに
そのデザインをお願いしまして、いろいろと“考えて”いただいている
という訳なのです。
その方は僕と同年代の女性で、とてもお話し好き。
ちょっとだけ僕と似たところがありますネ^^(長話、、、、、、笑)
ただ、その方の本質を捉える眼差しは好奇心以外の何物
でもなく、正に本物です。
僕は、そのことを認識することができたときに
どんなアイデアがでてきても無条件で乗っかってやろうと
いう覚悟を決めました。
次々と出てくるアイデアに、
四六時中僕のことを考えてくれている(訳はないのですが・笑)
ような錯覚をおこしてしまう。とても嬉しく楽しいプロセスを体験中です。
(昨夜もメールで、何やら新しいアイデアが生まれたとのこと、、、
まだ、見せてもらっていないけれど、このわくわく感、たまらないですねえ。)
ものをつくるとき、完成形もしかりですけれど、
“考える”にしても“考えてもらう”にしてもそのどっちもにしても
そこに至るプロセスは、楽しい!というより他はありません。
僕のお客さんもそんなふうに感じて下さっていたら良いなあと思います。
写真は、“バチイレグマキ”というレストラン
(↑ここはめちゃめちゃ美味しいですヨ!おすすめです。)にて、
ゾウのオブジェの前でデザートを食べるエリちゃん(娘

そして、上記デザイナーさんはエリ

ブログもHPもしばらく更新できずにおりましたが、
9月くらいからまた新たな気持ちで再開したいと思っております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
2010.02.10
創りたい“こと”

写真は前回の日記に貼り付けましたリフォームの
クライアントさまです。
(いい具合にピンボケなので使ってしまいます。)
実はこちらのご夫婦、
お二人とも70越えなのです
いるんですねえ~~~森 光子さんも顔負けのお方が!
ご主人はとても優しく上品なお方。
奥様はすらっとしたそれはもう大変な美人さんです。
とても粋なお二人でちょっとにくい(笑)ですネ、ご主人。
などと、70代の方にやきもちをやいてしまったのは初めてのことでした。
この日、ご主人は白無地のシャツを第一ボタンまで締めて、
奥様はとても上品なニットにアクセサリーを付けて
満面の笑みで、2か月ぶりに訪れた僕を迎えてくれました。
これをいただけただけで、もう何も言うことはなく、
やったね気分のアール・イーでございましたヨ^^
きっと僕は、建物やインテリアではなく、こういうことを創りたい
のではないかと何となく思う今日この頃です。
2010.02.04
こだわりと洗練と粋。



“こだわり”という言葉があります。
ポジティブな意味で使われることが多い言葉ですが、
何かにこだわるということは、その他多くの可能性を切り捨てて
しまうことでもありますから僕はもともとあまり好きな言葉では
ありません。
“洗練”という言葉があります。
これもポジティブな意味で使われることが多い言葉ですね。
最近僕はこの言葉が好きではなくなってしまいました。
どうしてかは、、、すみません。
何とか表現しようと思ったのですが上手く言葉にできません。
“粋”という言葉があります。
大好きな言葉です。このコントロール不能な尺度にずっと悩まされ
続けていますけれど、やっぱり好きです。理由はありません。
僕にとっては、上の二つの言葉の対極に位置する言葉です。
などと、書いておきながら、、、
実は、100%自然素材のリフォームに挑戦してみました。
写真がそうです。(携帯の写真につきピンボケお許し下さい)
壁と天井はしっくい。
無垢の杉板を思い切り使った壁収納と建具
キッチンもオール木製のフルオープン。
お施主さまは当然こだわっていらっしゃいましたけれど、
そして、それに応えることが僕の仕事ではありますが、
密かに、、、
いかにこだわりなくやれるかなどとということを考えていた
アール・イーなのでした。
2009.01.19
DNW in 宇都宮



今年度のDNWは、時期を例年の11月から1月に移し、
僕の活動域である宇都宮で行われました。
と言いますのも、宇都宮で1月から公開している
SUMIKA Project の見学を主目的としていたからです。
http://kenchiku.tokyo-gas.co.jp/sumika_project/notice1128.php
例年はたいがい遠くまで足を運んで参加していたイベントですが、
今年度は地元も地元。仕事の合間に参加できてしまうような感じで、
なんだかちょっとつまんないなあ。という感じのアール・イーなのでございます
が、しかし、
SUMIKA Project は見応えあり!です。
遠く西のほうからいらっしゃったメンバーの方々も相当に満足されていた様子。
なかには、那須や益子などのオプションを加えた方々もいたようです。
その様子は、毎度詳細なるマイミクゆき姫さまの“姫レポート”
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1052473748&owner_id=17096255
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1053504662&owner_id=17096255
をよろしかったらご覧下さい。
(いつも楽をさせていただいてます・笑)
で、僕の感想をちょびっと・・・
僕は、藤森照信さんのコールハウスがもっとも好きでした。
建物に近づき最初に目にしたクマザサのスロープでもうやられてしまいました^^
もう言葉もなく「いやあ~~~たまんないなあ~~~~~」と。
そして、建物の外やら内やらあちこちを見ながら終止「(ニタニタ)」している自分に気づき、
藤森先生のユーモアに完全にこころを持っていかれてしまったのでございます(笑)
そして、藤森先生がこのお仕事をしながら間違いなくしていたであろう
ニタニタ顔(笑)を思い浮かべておりましたヨ^^
このお仕事、どんなに楽しかったことでしょう
おかげさまで、その日の晩のお酒も楽しめました。
翌日のプログラムには僕は参加できず、ホテルから早くに東京に向かい
二日酔いの脳みそに木構造とデザインの洗礼を受けておりました。
吉田桂二先生にたっぷりとしぼられておりましたヨ^^
例のごとく無睡で、二日間という時間をつくり参加したこのイベント。
地元開催とはいえ、最後は倒れこむように眠ってしまうほど、
なにげに怒涛の二日間でした。
どこまでいっても懲りないアール・イーでございます。
やれやれ(笑)
2009.01.06
窓のはなし


あけましておめでとうございます。
http://jp.youtube.com/watch?v=-ElaECK6qAs
(またもや実に久しぶりの日記となってしまいましたが、)
今年最初のテーマは“窓”にしてみました。
お部屋をつくるにあたっては窓のとりかたはとても重要です。
僕は、写真のように窓を端っこまで寄せるということをよくやるのですけれど
その理由は自然光が壁面をなでるように入ってきてくれるので
隅に暗がりが生じることがなく、お部屋が明るく広く感じられるからです。
そして、そのように入ってきた自然光を受け止める壁には
風ぬきは考慮しつつもできるだけ窓をあけないようにします。
さらに掃き出しの窓にすると床面も窓際から全体的に
明るくすることができます。
勘のいいひとはもうおわかりでしょうか。
そうです。自然光というのは採り入れるだけでなく
どのように受け止めるかがとても重要なのですね。
そのことによって明るさや広がり感がまったく違ってきます。
そんな気分で、、、僕は2009年の窓をあけてみましたヨ^^
皆様にとりまして、幸多き一年となりますよう・・・
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
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動画は、(ちょっと季節はずれですけれど)
現在計画中の和太鼓の練習スタジオの参考にしたもの。
やはり窓のとりかたがポイントですネ。
写真右の天井に寄せた小さな窓からは夕日が入ってきて
その時間だけお部屋を茜色に染めてくれます。
2008.11.18
ヒューモアというテーマの・・・



(画像がきれいに出ずすみません。)
更新できずな日々をまたもや1か月以上も過ごしてしまいました。
と、いいますのも、↑こ~んなことをやっていましたものですから、、、
実は、ある方(いつもお世話になっております僕の先生です。)と共同で設計コンペを
闘っておりました。
終わってしまうと何だか少しさびしい気持ちに・・・
ということは、気持ち的にはやり足りないということなのかなあ?
でも肉体的には燃え尽きました。
・・・・・・・ぱたん。
(結果は月末。)
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ヒューモア humor
、、、人間味あふれるという意味をあわせ持つこの言葉を基本コンセプトとしています。
ときに、ヒューモアは、人と人との繋がりの中でより良いコミュニケーションを生み出すための潤滑剤となります。
そして、ヒューモアは、知性と優しさから生み出されるものです。
地域のインフラを根底から支えながら創立100周年を迎えるという御社が地域の人たちとの繋がりを最も大切にしてきたということは言うまでもないことでしょう。そして、それは次の100年を見据えても揺るぎないものと考えます。
ここで、人間的な魅力について少しだけ触れてみたいと思います。
魅力の定番といえば、ギャップ GAP です。
ずっこけ美人、三枚目の切れ者、いつも怖い顔をしている本当は優しいひと、、、などなど^^
このような人たちに触れるとき、ふとしたことで親近感を覚え、その人間味あふれる魅力に惹きこまれてしまいます。そのようにして、これまで幾度となく人と人とが深い部分で繋がりあう関係性が生み出されてきました。
そのような質を、もし建物が、そして、その中で活動する人たちの空気が、それを備えることが出来たとしたら・・・
この計画は、揺るぎない確かな骨格の中で、自由さ、柔らかさ、優しさ、生命あるもののゆらぎ、それら人間味あふれるすべてのものが生き生きと存在している。そんなイメージからくる尺度をヒューモア、そしてギャップという言葉で表し、ハード面、ソフト面の両面にあてがいながら考えられています。
エコロジー、サスティナブルデザインといった時代の求めに応じることは当然のこととしています。
雨の多い日本という地域に応じた軒の深い屋根形状、北緯36度における夏と冬の日射角の違いに応じた南面の軒の出(※3)、スケルトン&インフィルの可変性がもたらす持続性、人を優しく迎え入れる軒下空間、コミュニケーションを生み出す壁・・・・・
これらはまったく新しい手法ではなく、むしろ使い古されているとも言えるような建築における正攻法です。私たちは信頼に値するこれら手法のすべてをシンプルな中に結晶化することを試みています。
そして、温熱環境性能と昼夜そして季節ごとのゆらぎを得るための屋上緑化システム(※1)による植物、アーティストによる即興環境芸術(※2)、ランドマークとも成り得る巨大なオブジェ(※4)・・・など、ヒューモアという尺度に合致するこれらのものを建築とランドスケープのマテリアルとして採用します。
このように、揺るぎないものと自由なものとのバランス(=ギャップ)によって得られたかたちは、建物の物理的な持続性だけでなく、そこで活動する人たちの意欲(=心の持続性)をも高めてくれるに違いありません。なぜなら、その心とは、人と人とが深い部分で繋がりあう関係性(=コミュニケーション)を求める心だからです。
さらに次の100年後、、、
知性は進化し、ヒューモアも進化していることでしょう。
この建物にかかわる人たちがどのように進化し、そしてどのように変わらずにいたか・・・
それを見とどける建物であることを願って止みません。
2008.10.04
大きな鳥の羽根のおうち



ある小児科医院さんの改装をさせていただきました。
改装そのものは仕上げを変える程度の軽微なものですが、
なにかもっと素敵なことができないかなあ。。。ということで、
エントランスの大きなガラスドアに白のペイントで絵を描くことにしましたヨ^^
=写真上左=
アーティスト(自称図画工作家)のサトウヒロミさん。
ヒロミさんご自身もおかあさんになったばかり。
今回の仕事にぴったりツボでした。
患ってくる子供たちやおかあさんの気持ちに優しくしみ込んでくるような
絵を描いてくれました。
=写真上右=
クライアントであるO先生と奥様、そして子供たちもコラボレートしています^^
=写真下=
白のペイントだけで描かれた絵なのですが、ヒロミさんの絵は想像の中で
色や音が、そして(見る人それぞれに思い描く)ストーリーが広がっていくような
感覚を覚えます。本当に素敵な絵です。
今回はじめてヒロミさんのライブを拝見することができました。
いつも普通にお話しているときはぽっちゃりとかわいらしい素敵な女性なのですが、、、
イヤホンをつけてスイッチを入れ、絵筆を持ったとたんに・・・
その眼差し、
時折きこえてくる鼻歌・・・
なんと表現したらよいのでしょう。
表現者の塊と化したヒロミさんを目の当たりにして
ぞくぞくするような感覚とともに言葉をなくし、
その場に立ち尽くしていたアール・イーでございました。
アーティストって、、、かっこいい!、、すごい!